ベースを始めた頃の私は、ハードロックばかりを聴いていました。
だから、歌もののベースをじっくり聴く機会はほとんどありませんでした。
ところが、ある一枚のアルバムとの出会いが、私の「良いベース」の価値観を大きく変えてくれたのです。
そのアルバムが、松任谷由実(当時・荒井由実)の『MISSLIM』でした。
この記事のポイント
- ユーミン『MISSLIM』で知った細野晴臣さんのベースの魅力
- 派手ではないのに心を惹きつける歌伴ベースとは
- プレシジョンベースならではの温かいサウンド
- ベース好きなら一度は聴いてほしい一曲を紹介
ユーミンとの出会い
細野晴臣さんを知ったきっかけは、ユーミンのアルバム『MISSLIM』でした。
もともと私がベースを始めたきっかけはハードロックだったこともあり、歌もののベースを真面目に聴く機会はほとんどありませんでした。
年齢を重ねるにつれて聴く音楽の幅も広がり、知人から勧められたこともあって、ユーミンの初期作品を聴いてみることにしました。
アルバム1曲目「生まれた街で」が流れ始めた瞬間、まず耳に飛び込んできたのはイントロのベースでした。
「おっ、このベースいいな。」
そう思って聴き進めるうちに、特に「あなただけのもの」で完全に心をつかまれました。
派手なプレイではないのに、歌を優しく支えながら曲全体を心地よく前へ進めていく。そのグルーヴが本当に気持ちよく、今でも初めて聴いた時の感動を覚えています。
最初に心を奪われたベース
もちろん、ベースを弾いているのが細野晴臣さんだと知ったうえで聴いていました。
それでも、最初に惹かれたのは知名度ではなく、純粋にベースラインそのものでした。
派手なフレーズを弾くわけではありません。それなのに、不思議と耳がベースを追いかけてしまう。
歌を包み込みながら自然に前へ進めるグルーヴ。その絶妙なバランスに、一瞬で惹き込まれました。
さらに印象的だったのが、プレシジョンベースならではの太く温かいサウンドです。
決して前へ出過ぎず、それでいて確かな存在感がある。その音色がユーミンの歌声や楽曲の世界観と見事に溶け合っていました。
それまでジャズベースばかり追いかけていた私にとって、このアルバムはプレシジョンベースの魅力を再発見させてくれた一枚でもあります。
細野晴臣という存在
細野晴臣さんは、キャラメル・ママ、ティン・パン・アレー、そしてYMOなど、日本の音楽シーンに多大な影響を与えてきたベーシストであり、音楽プロデューサーです。
私の世代では、やはりYMOの印象が強く、「ベーシスト」というよりも「音楽界の重鎮」というイメージを持っていました。
正直なところ、当時は「渋いおじさん」という印象のほうが強かったですね(笑)。
だからこそ、『MISSLIM』を聴いて、そのベースプレイに心を奪われた時は本当に驚きました。
「あの細野晴臣さんが、こんなにも歌に寄り添うベースを弾いていたのか。」
そんな発見が、細野晴臣というミュージシャンを改めて見直すきっかけになりました。
ベース好きとして感じる魅力
細野さんのベースは、決して主役になろうとはしません。
それなのに、不思議と自然に耳へ入ってきます。
ロックだけでなく、アメリカのルーツ・ミュージックやR&B、フォーク、カントリーなど幅広い音楽から影響を受けていると言われており、その経験が歌を引き立てる演奏につながっているのではないでしょうか。
プレシジョンベースならではの太く温かい音色も、ユーミン初期の世界観と見事に調和しています。
派手なテクニックを披露するのではなく、歌をより美しく聴かせるために存在するベース。
私にとって細野晴臣さんの演奏は、「これぞ歌伴のベース」と思わせてくれる理想のサウンドです。
おすすめしたい一曲
もし細野晴臣さんのベースをまだ聴いたことがないなら、まずは『MISSLIM』の「あなただけのもの」をおすすめします。
派手なスラップや速弾きはありません。
ですが、「歌を支えるベース」の心地よさが、この一曲には詰まっています。
ベースを弾く人はもちろん、普段あまりベースを意識して聴かない人にもぜひ一度耳を傾けてみてください。
まとめ
テクニックだけがベースの魅力ではありません。
細野晴臣さんの演奏を聴いてから、私は「曲を良くするベース」が一番かっこいいと思うようになりました。
今でも「あなただけのもの」を聴くたびに、最初に感じた「おっ、このベースいいな」という気持ちを思い出します。
派手ではない。
でも、一度その魅力に気付くと何度でも聴き返したくなる。
それが、私にとっての細野晴臣さんのベースです。
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